町医者の日記/2021-08-30
召集令状†
東京都の医療従事者に対して召集令状が発令されました。
https://www.mhlw.go.jp/content/000823175.pdf
病院、臨時医療施設、宿泊療養施設、入院待機ステーション、酸素ステーションに派遣されるプランですが、
治療のできない入院待機ステーション、酸素ステーションを増設しても意味がない。
入院病床を増やすしかない状況です。
町医者が突然第一線の病院に派遣されてどれだけの戦力になれるのだろうか。
かえって足手まといで病院の和を乱すことになりかねないでしょう。
第5波は収束フェーズに入ってきたようです。来る第6波に向けて今から対策を講じる必要があります。コロナ病床は何床必要なのか、有事に流動的にコロナ病床を増やすにはどうしたらいいのか。対策を講じるのは誰か、各病院長、地方自治体知事? 否、日本の病床総数を決定している厚労省以外にないのです。
日本医師会長からのお願い†
https://www.med.or.jp/nichiionline/article/010197.html
診療所にはでき得る限り、自宅療養、宿泊療養の患者の健康観察、電話等による診療や往診を行うことをそれぞれ求めています。
自宅療養患者の治療†
先日、自宅療養患者さん(40代男性)の電話による診療を行う機会がありました。
某クリニックでPCR検査をしたけど薬をもらえなかったと言って来院されました。
当日は抗生剤、解熱剤等一般的な処方をしました。翌々日の午後にPCR陽性だったと連絡がありました。
高熱は持続していますが保健所に連絡しても自宅待機相当と判断される状態。
町医者が唯一処方できるデカドロン(デキサメサゾン、ステロイドホルモン)の投与を決断しました。
デカドロンは現状では中等症以上への投与が推奨されています。
翌朝患者さんに電話、解熱なく電話口で激しい咳をしていました。
普通の病気なら病院紹介が妥当な病状といえますが、
外来で診察してくれる病院、入院可能な病院はないと判断、デカドロンの続行としました。
デカドロン内服開始から5日目の朝に解熱しました。咳の頻度も減少。
デカドロン10日内服にて自宅治療が成功しました。
健康観察だけでは救急車要請となった可能性があります。