町医者の日記/2021-05-28
インフルエンザワクチンとコロナワクチン†
インフルエンザワクチン†
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/20100404-0508.htm
インフルエンザ不活化ワクチンには不活化全粒子ワクチンと不活化スプリットワクチンの2種類があります。
不活化とは化学的にウィルスの感染性をなくすという意味です。不活化されたものが全粒子ワクチンです。
スプリットとは全粒子ワクチンのRNA抗原を除去しでHA抗原(ウィルス表面抗原)のみを精製するという意味です。
現在日本では不活化スプリットワクチンのみが使用されています。全粒子ワクチンは1970年代まで日本でも使用されていましたが、発熱などの副反応が問題視され、副反応の少ないとされるスプリットワクチンに移行したそうです。
H5N1鳥インフルエンザウイルスに対応したプレパンデミックワクチンが開発され、パンデミックに備えて備蓄されていますが有効性を考慮し全粒子ワクチンが採用されています。
日本では副反応を考慮して有効性の低い不活化スプリットワクチンが採用されているのです。
コロナワクチン†
コロナウィルスの表面にあるスパイクタンパク質に病原性があると言われています。このスパイクタンパク質を体内に注入して免疫を獲得させようとするのがコロナワクチンです。mRNAを使ったりウィルスベクターを使ったりといろいろな方法が有りますが、結局はスパイクタンパク質を体内に注入することになります。
コロナワクチン作成は中和抗体作成量のみに着目し、インフルエンザワクチンのような副反応を少なくしようとする工程は考慮されていません。鳥インフルエンザパンデミック全粒子ワクチンと同様の意図で作成されているということです。